BCPとは
公開 カテゴリー: BCPに関するコラム, 企業の災害対策に関するコラム, 地震に関するコラム, 気象・天気に関するコラム
BCP(Business Continuity Plan=事業継続計画)とは、災害などの緊急事態が発生した際、事業資産の損害を最低限にとどめ、重要業務を中断しない為の計画です。
また中断した場合でも、それに伴う損失(取引先顧客の競合他社への流出、マーケットシェアの低下、企業評価の低下などの二次災害)から企業を守るための経営戦略も含まれます。
近年、地震や洪水、火災などの大災害に加え、テロ攻撃や大規模感染症(新型インフルエンザなどのパンデミック)、情報セキュリティ事故など、いつ緊急事態に見舞われてもおかしくないのが実情です。
このような事態になったとき、素早い判断と行動を起こさなければ、業務が停滞してしまい、事業縮小や倒産へと繋がってしまうかもしれません。実際にこのページをご覧の方の中にも、BCP対策の導入や見直しを検討されている方がいるのではないでしょうか。
中には企業のCSR(Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任)の活動の一環として、BCP対策に取り組む企業もあり、災害に強い企業、地域社会をつくり、地域との共存共栄を目指している企業として、内閣府の防災情報ページにも取り上げられております。
BCPに取り組もうとする企業が増えてきた一方でこのようなデータもあります。「BCPに対する企業の意識調査」(2016年6月、株式会社帝国データバンク)によると、BCPを策定している国内企業はわずか15%、策定中や検討中の企業を合わせても半数に満たない結果となっています。
対して緊急事態の一つである地震は現在も頻繁に発生しており、「全国地震予測地図 2018年度版の解説」(地震調査研究推進本部)では、南海トラフの巨大地震の発生確率は30年以内に72%、首都直下地震の発生確率は30年以内に70%となっています。
その他にも三陸沖北部や根室沖など日本各地で地震の発生が予測されています。このような大地震などの大災害をはじめとした緊急事態への備えは企業として非常に重要です。
BCPとして求められるものは、緊急時の「安否確認体制」、「災害対策本部の運営」、「従業員やその家族、取引先や協力会社との連絡体制」など様々です。
その中でも、企業を存続させるために欠かせない従業員の安否を知ること(緊急時の連絡ツール、連絡方法の確保)は重要な位置づけと言えます。
大地震などの災害発生時には、音声電話の利用が集中し通話規制が掛かり、電話が繋がりにくくなります。東日本大震災の発生直後も、携帯電話事業者によっては平常時の50~60倍以上の通話が一時的に集中するなど、長時間にわたり電話が非常に繋がりにくい状態となりました。このため通信事業者は、警察・消防への緊急通報(110番、119番)や緊急性の高い災害対策機関の音声通話を確保するために、固定電話で最大80%~90%、携帯電話では最大70%~95%の通信規制を実施しました。固定電話に対し、携帯電話の通信規制は断続的に数日間にわたり実施されました。
そこで、緊急事態が発生し、安否確認をするのが困難な状況であっても、音声電話以外の繋がりやすい安否確認システムを導入しておくことで、BCP対策の強化へと繋がります。
・BCPの主な内容
→緊急時に優先する業務の振分け、行動マニュアルの整備
備蓄等物品の確保(物品のリスト化など)
緊急時参集要員の確保
災害発生時の任務分担
緊急時の連絡ツール、連絡方法の確保(安否確認システムの配備)など
・災害発生時の対応
→人命(従業員及びその家族)の安否確認、安全確保
会社や従業員の自宅などの被災状況の把握
初動体制の確立
二次災害の防止
情報の確保
会社の資源・財産の確保
物的被害軽減
これらは1日、2日で整備できるものではありません。平常時から万全な準備、訓練をしておくことで、緊急事態でも事業を継続するための行動をとることができます。これこそがBCPの目的です。
※本記事は、下記参考資料を基に株式会社パスカルが作成しました。
【参考資料】(参考、一部転用)
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