お役立ちトピックス
企業で必要な『防災備蓄用品』について徹底解説!
地震や異常気象によって防災意識が高まっている昨今、各家庭での防災備蓄用品が充実し、常備されているご家庭も多いのではないでしょうか。
企業ではどうでしょう?従業員や地域住民のために防災備蓄用品を準備していますか?
防災備蓄用品は用意していない、または備蓄はしているが必要数に不安がある、そんな方のために、今回は企業で何をどのくらい、どのように保管すれば良いのかを徹底解説します。
平成23年3月11日に発生した東日本大震災で、首都圏では鉄道の多くが運航停止するとともに、道路でも大規模な渋滞が発生し、バスやタクシーなどの交通機関の運行にも支障が生じました。そのため首都圏において約515万人に及ぶ帰宅困難者が発生しました。
そこで東京都と内閣府共同の会議にて、平成24年3月に「東京都帰宅困難者対策条例」が制定されました。この条例は発災時にはむやみに移動せず、職場や学校で3日間待機し、一斉帰宅の抑制を呼びかけています。これは一斉に帰宅しようとすることで、道路や歩道が多くの人で埋まり、大渋滞が発生するのを防ぐことを目的としています。道路が渋滞することで、警察・消防・自衛隊が速やかに現場に到着できず、救助・救命に支障をきたすことがあるからです。
では、職場で3日間待機するにあたり、どのような防災備蓄用品をどのくらい用意の必要があるのでしょうか。
01なぜ企業で防災備蓄が必要なのか
平成23年3月11日に発生した東日本大震災で、首都圏では鉄道の多くが運航停止するとともに、道路でも大規模な渋滞が発生し、バスやタクシーなどの交通機関の運行にも支障が生じました。そのため首都圏において約515万人に及ぶ帰宅困難者が発生しました。
そこで東京都と内閣府共同の会議にて、平成24年3月に「東京都帰宅困難者対策条例」が制定されました。この条例は発災時にはむやみに移動せず、職場や学校で3日間待機し、一斉帰宅の抑制を呼びかけています。これは一斉に帰宅しようとすることで、道路や歩道が多くの人で埋まり、大渋滞が発生するのを防ぐことを目的としています。道路が渋滞することで、警察・消防・自衛隊が速やかに現場に到着できず、救助・救命に支障をきたすことがあるからです。
では、職場で3日間待機するにあたり、どのような防災備蓄用品をどのくらい用意の必要があるのでしょうか。
02必要な防災備蓄用品とその必要数
2-1 排泄・衛生
非常用トイレ
数量:7回×3日×人数(1人あたり21回分)
トイレがなければオフィスでの滞留はできません。断水してしまった場合のことを考え、充分余裕のある数を用意しておきましょう。基本的には備蓄保管庫に保管しますが、一部はトイレにも置いておくと良いでしょう。
★ワンポイント
1,2回分を従業員にも配布いただくことをおすすめします。
トイレットペーパー
数量:1個×人数
阪神・淡路大震災や東日本大震災で被災者が最も困ったのが食料でも衣服でもなく、トイレットペーパーだと言われています。トイレットペーパーがあることで衛生が保たれます。
トイレに常備するトイレットペーパーは常に多めにすることを意識しましょう。
★ワンポイント
トイレットペーパーは保管場所に困るのが問題です。現在は3倍巻のものや芯なしタイプのもの、真空パックされた10年保存可能なものもあるので、こういったものを利用し確実に備蓄しましょう。
アルコールウェットティッシュ
数量:1個×人数
水の節約のために、手洗い用のウェットティッシュがあると良いでしょう。通常のウェットティッシュはもちろん、感染症予防のためにアルコールの含まれたものも準備することをおすすめします。
★ワンポイント
防災用の5年保証のものや、介護用に作られた体拭き用、シャンプーシート等もあります。余裕があればこれらの備蓄もおすすめです。
2-2 水・食料
保存水
数量:3L×3日×人数(1人あたり9L)
飲料水はトイレや傷の消毒や食器を洗うなど、衛生面や生活用水としても利用することがあります。そのため可能であれば、1日辺り4L程度確保しておくことが望ましいです。
★ワンポイント
一度開けた水は雑菌が繁殖しやすくなっています。用途に合わせた量のものを開封し、できるだけすぐに使い切るようにしましょう。そのため500mlと2L両方を用意するのがおすすめです。
食料
数量:「菓子類」「パン缶詰」「アルファ化米」
それぞれ1食×3日×人数(1人あたり9食)
3食とも「主食」「副食」「汁物」のセットで構成することが最も望ましいですが、コストを抑えたい場合は3食の内1食を米にするなど、普段の食事に近いものにすると良いでしょう。その他にも糖分を補給できるチョコレートや飴、ビタミンを補うことができる果物の缶詰なども用意しておくとより良いです。
★ワンポイント
実は調味料なども準備しておくと便利です!ストレスを感じやすい災害時だからこそ、調味料で保存食の味を自分好みに変えることで、ストレスを軽減できるかもしれません。従業員各自で調味料を準備してみてはいかがでしょうか。
2-3 防寒睡眠
毛布
数量:1枚×人数
圧縮した毛布が1人1枚あると理想的ですが、保管場所や予算がない場合はエマージェンシーブランケットで代用しましょう。床に敷くエアマットなどがあればさらに良いです◎
★ワンポイント
秋冬など寒い季節には屋外待機時に焚火などで暖をとる場合もあります。その場合、火傷や火事の原因になります。そうしたリスクを減らすため、燃えにくい難燃性繊維を使用した毛布もあります。
2-4 日用品
圧縮タオル
数量:1枚×人数
・敷物として使う
・目隠しとして使う
・保温する
・包帯や止血帯として使う
さまざまな用途で利用可能なため、多めに準備しておくことをおすすめします。バスタオルのように大きめのものも用意しておくと良いでしょう。
★ワンポイント
少し高価にはなりますが保存可能な「濡れタオル」もあります。精製水含んでおり顔や体を気持ちよく拭くことはもちろん、火災時などには吸気温度を下げ、呼吸を楽にすることにも役立ちます。
マスク
数量:1枚×3日×人数(1人あたり3枚)
避難所での感染症予防のためにはもちろん、災害時には建物の損壊や山の噴火などによる粉塵や噴煙などの吸い込みを防げます。
★ワンポイント
災害直後に必要になる場合が多いので、各自で3枚程度、常備しておくと良いでしょう。また、新型コロナウイルス流行の影響で会社でも備蓄している企業も多いと思いますが、数に不足はないか、改めて確認してみましょう。
軍手
数量:1個×人数
倒れた什器や割れたガラスを片付ける際や冬場の防寒などに軍手があると便利です。通常の軍手だと突き抜けてけがをする可能性もあります。一部の従業員用でかまいませんので、防刃手袋だとより良いでしょう。また、各自でも軍手を常備しておきましょう。滑り止め付きのものがより好ましいです。
★ワンポイント
防刃手袋には「耐切創レベル」というものがあります。これは手袋の切れにくさを評価する数値です。避難経路にたくさんの障害物がある場合や、救助活動も視野に入れている場合は最大の耐切創レベル5の防刃手袋だと安心です。
LEDライト、ろうそく等
数量:1本×人数
夜間や暗い場所での安全確保のために必要です。火災には注意が必要なので、できればLEDライトが好ましいでしょう。最近は少量の水を加えることで電気を発生するタングステン合金の電池が入っている防災用の使い捨てLEDライトもあり、必要な水は1CC程度で注ぎ足せば1週間ほど利用できるそうです。
★ワンポイント
スマートフォンのライトで代用することもできますが、電池を消耗します。電話で連絡を取りたい等、いざという時のために常に電池残量を半分以上にしておくことをおすすめします。
乾電池
数量:1組×人数
LEDライト用の予備電池を上記数量分準備しておきましょう。LEDライト以外にもラジオや携帯充電器にも使用することができます。電池にも「使用推奨期限」があります。期限切れのものは性能が悪くなってしまったり、部分劣化して液漏れしやすくなりますので注意しましょう。
★ワンポイント
電池にはマンガン電池とアルカリ電池の2種類があります。マンガン電池は電力は大きくありませんが、使用後に休ませると電圧が回復しますので、小さな電力で動かせる懐中電灯や携帯ラジオにおすすめです。一方アルカリ電池はハイパワーなため、家電やライトなど、大きな電流が必要なものや、長時間連続して使用するものに向いています。
2-5 救急・救助
救急用品
数量:1式×フロア
傷・やけど・骨折に対応できる道具を準備し、使用方法の記載された紙のマニュアルとセットで準備し、誰でも対応できるようにしておきましょう。
★ワンポイント
戸棚の中などは災害後に開けなくなってしまうことも考えられます。すぐに取り出せる場所に保管しましょう。
救護用品
数量:1式×フロア
避難経路確保に必要な、バール・ハンマー・ジャッキ・ロープなどを、出入り口の近くなどに用意しておきましょう。なお、いざというときに出入口を塞いでしまうことのないよう注意してください。
★ワンポイント
道具の名前や使い方がわからない方も多いかと思います。避難訓練時などに使い方を確認しておくことが重要です。
2-6 情報収集
ラジオ
数量:1台×フロア
情報収集に必須です。予備乾電池と合わせて取り出しやすい場所に保管しておきましょう。スマートフォンでも情報収集は可能ですが、できるだけ電池の消耗を抑えるためにラジオを活用しましょう。
★ワンポイント
防災ラジオというものはご存じでしょうか?緊急情報を受信した際、電源が入っていなくても自動的に起動し緊急放送のチャンネルを流してくれるので、準備しておくことをおすすめします。
03防災備蓄用品の使用タイミングと流れ
ではどのような時にどのような流れで備蓄を使用すれば良いのでしょうか。
まず、企業の防災担当者の指示に従いましょう。最初に必要になるのが「救護・救助用品」「情報収集用品」です。これらを使い、出入り口の確保、けが人の応急処置、被災状況などの確認を行いましょう。
上記が終わり、建物が安全な場合は建物内の安全な場所に集まり待機しましょう。この時、可能であれば各自で保管していた備蓄も持ってくるようにします。従業員全員が確認でき次第、1人ずつに1日分の備蓄を配布するようにしましょう。
04定期的に点検を行い、いざというとき困らないようにしましょう
職場で災害にあった場合の防災備蓄についてご案内いたしました。
水、食料には賞味期限があります。電池にも使用期限があり、液漏れや自然放電で利用できなくなっているものもあるかもしれません。ウェットティッシュなどは未開封の状態でもパッケージの劣化等で水分が抜けてしまうこともあります。また、意外と盲点なのがハザードマップです。ハザードマップも数年おきに内容が見直されています。久々に見たら何年も前のものだった…なんてことのないよう、これも確認しておきたいポイントです。
いざというとき確実に使用できるよう、定期的な点検が必要です。避難訓練や年末の大掃除などがある場合、そのタイミングで点検を行うことをおすすめします。
また、先にもあるように救急用品、救護用品、ラジオ等いざという時に誰もが素早く対応できるよう、使い方の確認も行うようにしましょう。
監修者情報:株式会社パスカル
オクレンジャー ヘルプデスク
オクレンジャーヘルプデスクは、年間6000件以上のお客様の声と向き合い、課題を解決してきたオクレンジャーを知り尽くす専門部隊です。
業界随一のサポート体制を目指し、日々お客様の声や社会情勢、最新の防災情報等を勉強し情報収集することで、お役に立てるよう邁進しています。