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余震の原因と特徴~注意するポイントととるべき行動について~
地震には本震と余震があります。
大きな地震=本震が発生した後は、震源の近くで地震活動が活発になり、その後も継続的に本震よりも規模の小さい地震=余震が発生する場合があります。
余震とはなぜ起こるのでしょうか。余震の性質や余震によって引き起こされる二次災害、
注意するポイントと共にご紹介します。
目次
01なぜ起こる?余震のメカニズム 02余震が持つ2つの性質について 03地震後は二次災害にも要注意!身を守るために出来ること 04こんなときはすぐ避難!気象情報・ハザードマップも確認しよう 05災害時こそ落ち着いた行動を取ろう 06災害は突然やってくる!日頃の備えを万全にしよう01なぜ起こる?余震のメカニズム
余震は、大地震の震源域(岩盤が破壊された領域)やその周辺で不安定になった地下の力のつりあいの状態を解消するために発生します。
冒頭で余震は、本震よりも規模の小さい地震と説明しましたが、場合によっては同程度
もしくは本震を超える規模の大きな地震が発生する可能性があります。
また、地震活動には「本震―余震型」、「前震―本震―余震型」、「群発的な地震活動型」の3つのパターンがあります。
以下でご紹介します。
「本震―余震型」
・本震の後に余震が引き続き発生するパターン。
・余震の数は本震直後に増加し、時間経過とともに発生頻度は低くなる。
・規模が大きい余震は少なく、規模が小さい余震が多く発生する。
・大きな余震による揺れは、場所によっては本震の揺れと同じ程度になることがある。
「前震―本震―余震型」
・「本震-余震型」に規模の小さな地震活動(前震)が加わったパターン。
前震の後に「本震―余震型」の地震活動が起こる。
「群発的な地震活動型」
・活発な地震活動と穏やかな地震活動が一定期間続くパターン。
一連の活動の中で抜きん出て規模の大きな地震はなく、明瞭なパターンは認められていない。
02余震が持つ2つの性質について
余震活動には二つの性質があります。
一つは「余震の数は本震直後に多く、時間とともに少なくなっていく」というものです。
一般的な余震の回数は、地震発生から1日以内での発生が最も多く、2日目は1日目の約2分の1、3日目は1日目の約3分の1の回数になるといわれています。
もう一つは「余震の発生回数は規模が大きい地震の場合は少なく、規模が小さい地震の場合は多い(マグニチュードが1大きくなると、発生数はおよそ10分の1程度に減る)」というものです。
(画像:気象庁出典)
例えば、マグニチュード3以上の余震が1000回発生していた場合は、マグニチュード4以上の余震は約100程度の発生になります。(下図参照)
ただし、余震活動が完全に収まるまでには数カ月から数年、あるいはそれ以上かかることがあります。規模に関しても、余震活動が収まりつつある段階であってもまれに大きな地震が発生する危険性があります。日数が経過したからといって地震活動が完全に収まったわけではないため、油断は禁物です。
(画像:気象庁出典)
以下に最初の大地震と同規模もしくはそれ以上の規模の余震が発生した事例をご紹介します。
海域の地震では、三陸沖(下図の赤枠領域)と択捉沖の一部(下図の緑枠領域)などが
同規模の地震が続けて起こりやすい場所として知られており、水色の丸の場所では、
マグニチュード6.0以上の地震の後に同規模またはそれ以上の地震が発生した事例があります。
直近では、東日本大震災を引き起こした2011年3月11日のマグニチュード9.0の巨大地震が
当てはまります。マグニチュード9.0の地震が発生する2日前にマグニチュード7.3の地震が
発生していました。
(画像:気象庁、調査期間:1923年1月1日~2016年6月30日)
また、内陸の浅い地震でも、「平成28年(2016年)熊本地震」を例に挙げると、
マグニチュード6.5の地震のおよそ28時間後にマグニチュード7.3の地震が発生しました。
全国的に見ても、下図の水色の丸の場所ではマグニチュード5.0以上の地震の後に同規模
もしくはそれ以上の規模の大きな地震が発生した事例があります。
またその他一部の地域(長野県松代、伊豆半島東方沖から伊豆諸島の領域)では、過去に
群発的な地震活動が発生しており、最初に発生した大きな地震と同程度もしくはそれ以上の地震が発生しやすいと考えられています。
※日本列島を囲む多角形は「内陸」の部分を表します。
(画像:気象庁、調査期間:1923年1月1日~2016年6月30日)
03地震後は二次災害にも要注意!身を守るために出来ること
地震発生後は、それによって引き起こされる二次災害にも注意が必要です。
地震発生後の街は、危険が多くあります。地盤が緩んでいたり建物が倒壊しかけている、
また、落石や崖崩れなどの土砂災害や雪崩、海沿いでは大きな地震が発生すると
津波が発生する可能性があります。
このように、地震は揺れだけにとどまらず、様々な二次災害を引き起こします。
こうした二次災害の被害を減らすためにも地震が発生したらまず大型家具や窓ガラスから
離れ、丈夫なテーブルの下に隠れるなど身の安全を確保しましょう。
身の回りに頭を守るものがないときは、頭の上を両手で覆い、頭に物が直撃することを防ぎましょう。
一時的に揺れが落ち着いてもすぐに行動するのは危険です。大きな揺れが収まった場合でも、
余震が発生する可能性があります。余震が続く間は自分の身の安全を守ることが大切です。
また地震の際に注意したいのが火の元です。
ガスメーターは震度5程度以上の地震が発生した場合、ガスは自動的に止まるようになっています。激しい揺れが続く間は安全な場所に身を置き、揺れが収まってから火を消してください。
04こんなときはすぐ避難!気象情報・ハザードマップも確認しよう
被災した場所によっては、ただちに避難する必要があります。
地震の影響で建物が激しく損傷していたり、地盤が軟弱な土地にある場合は、建物が倒壊
する危険性があるため、速やかに避難する必要があります。
建物の倒壊以外にも、以下に当てはまる場合は早めの避難が必要です。
・避難勧告や避難指示が発令されたとき
・自宅の周辺で火災が発生しているとき
・土砂崩れや津波が予想されるとき
災害時の状況はその時によって様々です。自治体が出す避難指示に従って行動するようにしましょう。
また、避難する際は以下に気を付けましょう。
・電気のブレーカーを落としてから避難をしましょう
→災害により停電になった場合、復旧(通電)した際に火災が発生する可能性があります。
・ガスの元栓は閉めておきましょう。プロパンガスの場合は、ボンベの栓を閉めると良い)
→ガスが復旧した際のガス漏れを防ぐためです。
・道路の隆起や亀裂に注意し、倒壊しそうな建物には近寄らず、可能な限り周囲に何もない場所を選んで避難しましょう。
→避難するときはスニーカーなど動きやすい靴を履くことをお勧めします。
・電柱の近くは避けて避難しましょう。
→電線が切れている可能性があり、電気が流れている場合は触ると感電する恐れが
あります。
・一度自宅から外に避難をしたら、荷物などを取りに戻らないようにしましょう
→家に戻る道中には家屋が倒壊する、瓦礫の下敷きになる、津波に流されるなどの危険が
潜んでいます。安全確認が出来るまでは家に戻らないようにしましょう。
・災害後の気象情報には十分注意しましょう。
→緩んだ地盤に大雨・暴風・高潮などの激しい気象現象が加わると、土砂災害・洪水・雪崩等を起こす可能性があります。
さらに、避難するためには、避難経路や避難場所、危険箇所を知っておく必要があります。災害への備えとして、地震が住む地域や職場、よく行く場所にどのような危険があるのか、また避難場所はどこか、どのような経路で行くのかを事前に確認しておくことも大切です。自治体が公表しているハザードマップを活用し確認しましょう。
05災害時こそ落ち着いた行動を取ろう
災害時に落ち着いて行動するのは非常に難しいことです。
地震により荒れた街中を避難するのは難しく、気持ちも焦る一方です。また避難所での生活は、ただでさえ自分の空間、時間がない中で、被災による精神的ダメージが加わり、
ストレスが溜まります。
しかし、慌てたりイライラしてしまうと、心身ともに疲弊してしまいます。このような場合は深呼吸をしたり、周囲の人と声を掛け合うことで落ち着きが取り戻せることもあります。大変な状況の中で平常心を保つことは非常に難しいですが、焦らないことを意識して
みましょう。
また、災害など予期せぬ出来事に直面してしまうと多くの人は思考停止状態に陥り、
パニックを起こすことがあります。このような環境下でパニック状態に陥ってしまうのは、
とても危険です。パニック状態になると自分を見失い、衝動的、攻撃的な行動をとってしまったり、周囲にパニック状態を広めてしまう可能性があります。
パニックを起こさないためには、心の備えとして事前に、災害時の様々な場面での危険性を知っておく、自分が取るべき行動の確認をしておくことが大切です。1人でも多くの人が
冷静に行動することで、パニック行動が全体に広がることを防げます。とても難しいことではありますが、災害時こそ落ち着いた行動を意識してみてください。
06災害は突然やってくる!日頃の備えを万全にしよう
地震をはじめとする自然災害はいつ起きるのか予測することができません。
そのため、以下を参考に日頃から災害を想定した「備え」を行いましょう。
・防災グッズ(衛生用品や常備薬など生活に必要なもの)を用意し、すぐに持ち出せるようにしましょう。
→防災グッズの選び方として、何人分なのか、セット内容は充実しているかチェックして
揃えるようにしましょう。バッグは、撥水・防水仕様のものであると、雨天時の避難でも
安心して持ち出すことが出来ます。
・水と非常食を常備しておきましょう
→災害発生から物資支援が届くまでには時間が掛かります。3~4日分は備えておきたい
ところです。
・自宅や職場からの避難経路、避難場所を確認しましょう。
→被災状況によりいつもの道が通れない可能性があります。複数の避難経路を考えておきましょう。
・家族との安否確認方法を話し合っておきましょう。
→多くの人が連絡手段として利用している電話は、災害時はつながりにくく連絡をとることが困難になることが推測されます。インターネットやSNS、災害伝言ダイヤルの活用など、電話以外の連絡手段について確認しておくことが大切です。
余震の危険性を知り、とるべき行動、備えるべきものを改めて考えてみましょう。
※本記事は、下記ホームページの情報を基に株式会社パスカルが作成しました。
・気象庁HP
・NHK日本放送協会
監修者情報:株式会社パスカル
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