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気象 災害対策
2023/07/31 更新

大雪によって起こる被害と雪崩の原因、それぞれの備えについて解説

大雪によって起こる被害と雪崩の原因、それぞれの備えについて解説 サムネイル

2021年1月、新潟県では積雪が210cmを超えるほどの大雪が降り、雪の少ない九州でも
積雪となり長崎県では21cmの雪が積もりました。
この様子は多くの新聞やニュース番組でも取り上げられ、被害の様子を映像や写真で見た方も多いのではないでしょうか。
この大雪に限らず、日本は今までも大雪による被害を受けてきました。
また、近年バックカントリースキーの人気が高まってきています。
そこで起こる自然災害が雪崩です。この雪崩にも気を付ける必要があります。
今回は過去にどのような雪に関する被害があったのか、大雪や雪崩に備え何を準備し、
いざという時はどのように対処すれば良いのかを解説します。
 

01過去に日本で発生した大雪による被害の例

雪は、大気中の水蒸気がちりやほこりを核として凍り、氷の結晶になることで作られます。
これが複数くっつき雪の結晶となり、溶けずに地上へ落ちてきたものが雪となります。
冒頭にあるように、毎年たくさんの雪が降り、大雪に備えた対策を行っている地域でも
対処しきれないほどの量の雪が降ることがあります。
人的被害も発生し、交通網にも大きな影響を与えます。
下記の表は過去に日本で起きた豪雪の一例です。

※クリックで拡大

「気象庁HP災害をもたらした気象事例」 及び
総務省消防庁災害情報」を参考に作成)
 
大雪による被害はあまり印象に残らないかもしれませんが、表の通り、日本海側を中心に多くの被害が出ています。
多くの死者が出た被害を見てみると、最近では2006年の152名と100名以上の死者が出ており、侮ることはできません。
令和以降の大雪による被害の死者数は43人(令和5年7月現在)と多くはないものの、平均すると毎年約10人の方が亡くなっています。温暖化が進み降雪量が少なくなったと感じる現在でも、令和2年には群馬県藤原で48・72時間の降雪量の期間最大値が歴代全国1位を更新し、令和3年には新潟県高田で24時間の降雪量が過去最高の103センチになるなど、気を抜くことはできません。
また、大雪でなくても、路面の凍結によるスリップ事故や、雪により車のマフラーが詰まり、排ガスが車内に入り込んで一酸化炭素中毒になり命を落とす等、車での事故も多く大変危険です。
 

02雪による災害の備え、災害が起こった場合の対処方法

「目次1.過去に日本で発生した大雪による被害の例」の通り、雪によって命を落とすことは誰にでもあり得ることです。
では、どのように気を付ければ良いのでしょうか。また、備えておくべきことも確認しましょう。
 

自宅で起こる被害

 

除雪中の事故

大雪の際には必ず行わなければならない、雪下ろしや雪かきなどの除雪作業。
しかし、毎年冬になると除雪作業中の事故が発生しています。
屋根からの落雪で埋まってしまい窒息してしまう事故や低体温症になってしまう事故、屋根の上での除雪中に落下してしまう事故。また、寒さで発作が起きてしまうこともあります。
除雪中の事故を防止するために、除雪作業は必ず2人以上で行い、声を掛け合いながら行うようにしましょう。また、体を動かすことで暑くなるため、薄着で作業を行う方もいるかもしれません。しかし、寒さや屋内との寒暖差で、心臓に負担をかけ、発作が起こる可能性や、雪に埋まった場合に低体温症になる可能性があります。暑くても防寒対策をきちんとして作業するようにしましょう。
また、長時間作業を続けることで冬でも脱水症状に陥る危険性もあります。
適度な休憩と水分補給を怠らないことも大切です。
 

建物の倒壊

大雪ではたくさんの雪が屋根の上に積り、雪の重さで住家などの建物が押しつぶされてしまうことがあります。
実際に上記の表1963年にもあるように、過去には大雪による住家の倒壊が多数発生しています。
国土交通省からは「雪下ろし安全10箇条」が公開されています。雪下ろし、除雪作業を行う際には、自分の命、また、一緒に作業する人の命を守るためにも、必ずこの10箇条を守って行うようにしましょう。
また、倒壊の危険性のある古い建物に近づかないことも覚えておきましょう。
 
(参考)【雪下ろし安全10箇条~除雪作業中の事故に注意しましょう~】
PDF:国土交通省HP出典

 

ライフラインの停止

大規模災害の際には必ずと言っても良いほど起こるのがライフラインの断絶です。
地震の時に起こるイメージ強いですが、大雪の場合も例外ではありません。特に、寒さによる水道管の凍結が起こりやすくなります。異常気象により寒波が強くなっており、凍結もしやすくなっていますので、水道管凍結防止グッズを利用するなど、防止策することが重要です。
また、防災グッズも地震の時のみでなく大雪被害の際にも活躍します。常備されている方も多いかと思いますが、どんな災害にも役に立ちますので、準備しておくことをおすすめします。
 

交通障害

大雪が降ると、電車などの公共交通機関が運休になる可能性があります。また、道路の凍結による事故を避けるため、自動車もゆっくりと走り、渋滞が起きやすくなります。
その他、大雪により道路が通行止めになる可能性もあります。特に普段雪が降らない地域では、混乱が生じやすくなりますので、渋滞や遅延に備え、時間に余裕を持った行動をしましょう。
また、大雪の影響で車が立ち往生し、車両滞留が発生することがあります。この場合や、車内で暖をとる場合に起こるのが一酸化炭素中毒です。これはエンジンをかけた状態でマフラーが雪に埋まっていると、排ガスが車体の下側に溜まり、エアコンの外気導入口を伝って社内に吸い込まれていくことが原因です。一酸化炭素は無色・無臭・無刺激のため、気が付くことはほとんどありません。
一酸化炭素中毒にならない対策としては、マフラー周辺を定期的に除雪することが重要です。そのため冬場の車内には防寒着と雪かきを常備しておくことも大切です。
 

路面凍結

雪が降ると、路面が凍ります。自動車を運転する場合は、急ブレーキ・急ハンドルは絶対にしてはいけません。また、滑らないように注意していても、路面に轍やシャーベット状の雪があるとハンドルをとられやすく非常に危険です。
近年は雪があまり降らない地域でも、雪が積もることが多くなってきています。そのため、タイヤは必ず冬用タイヤに交換するようにしてください。
国土交通省では大雪時にタイヤチェーン装着車のみ通行可能な区間を設定する、道路交通の確保に向けた取り組みを行うことを発表しています。(2018年12月13日時点:開始時期未定)
また、道路を歩く場合も注意が必要です。
雪が降った時はヒールなどの不安定な靴やソールが滑りやすい靴は避け、滑り止めがついたものなど滑りにくい靴を履くようにしましょう。
 
(参考)【大雪時の道路交通の確保に向けた取り組みについて(チェーン規制の検討状況)】
国土交通省HP
 

 

03雪によって起こる「雪崩」その原因とは

雪崩も雪に関係する被害の1つです。皆さんは雪崩の原因はご存じでしょうか。
まず、雪崩とは「斜面上にある雪や氷の全部、または一部が肉眼で識別できる速さで流れ落ちる現象」のことをいいます。
斜面に積もった雪は、「重力により落下しようとする力」「地面との摩擦力」「雪粒同士の結合力」の3つがつり合って支えられています。大雪によって積雪の落下しようとする力が大きくなったり、人や動物が斜面を横切って雪粒同士の結合力を弱めてしまったりすることで、つり合いが崩れて雪崩が発生します。また、日射や気温の上昇、降雨で雪が融けた時にも、雪粒同士の結合力や地面との摩擦力が弱くなり、雪崩が発生します。
雪崩には2つの種類があります。

表層雪崩

すべり面が積雪内部にあり、気温が低く、降雪が続く1、2月頃の厳寒期に多く発生します。大規模なものは巨大な雪煙を伴い、山麓から数kmに達することがあり、大災害を起こすことがあります。

 

全層雪崩

全層雪崩は、すべり面が地表面にあり、春先の融雪期など気温が上昇した時に多く発生します。斜面上の固くて重たい雪が流れるようにすべり落ちるため、表層雪崩に比べ、スピードは緩やかです。

上記の通り、時期によって異なる種類の雪崩が発生するため、多くの雪がある時期は気を抜くことはできません。
近年の雪崩による被害でいうと2020年1月30日に北海道のトマムスキー場外で発生したものが大きく取り上げられました。雪崩発生によりバックカントリースキーをしていた8人が巻き込まれ、死者が1人出ました。

04もしも雪崩に巻き込まれた場合には

では、もしも雪崩に巻き込まれた場合にはどうすれば良いのでしょうか、また、雪崩に巻き込まれた場合に備え、どのような準備をすればよいのでしょうか。

横方向に逃げる

これは雪崩に巻き込まれる前の対策ですが、雪崩は縦方向に流れてきます。
中心部の雪の量が1番多く、端の方が少なくなります。そのため、できるだけ本流から遠ざかる方向に逃げるようにしましょう。

雪の中でもがいて浮上する

雪崩に巻き込まれた場合はあきらめず、できるだけ表面にとどまれるよう、雪の中を泳ぐようにもがきましょう。
また、流れている途中に木や枝などつかまることができるものがあったらつかまる努力をしてください。

手でエアポケットを作る

雪崩での1番の死因は窒息死だと言われています。雪崩に巻き込まれて埋まってしまった場合には手でエアポケットを作ります。鼻や口に雪が入らないように顔を覆い、呼吸できるよう口の前に空間を作り、窒息しないように対策をしましょう。
また、雪崩に巻き込まれた場合に備え、以下の道具を持っておくと安心です。

エアバッグ付きザック

絶対に埋まってしまわないわけではありませんが、エアバッグが膨らむことで完全埋没のリスクが下がるため、エアバッグ付きザックの利用はとても有効です。

ビーコン

ビーコンは電波を発信し場所を知らせる道具です。これを持っていることで仲間や救助隊が埋没者の場所を特定しやすくなります。
雪山での登山やバックカントリースキーの際には必ず所持することをおすすめします。
  
雪崩で埋まってしまった場合、約15分で心肺停止になると言われています。雪崩に巻き込まれない、埋まらない努力をし、もしもの場合に備えて身を守る道具を持つようにしましょう。

 
日本は雪に関する自然災害の発生も他国と比べ、非常に多いです。
雪があまり降らない地域だから大丈夫だろう、大雪が降ってもなんとかなるだろう、
雪崩に巻き込まれることはないだろうと考えず、普段から防災意識を持つようにしましょう。
 
※本記事は、下記ホームページの情報を基に株式会社パスカルが作成しました。
気象庁
総務省 消防庁
国土交通省
政府広報オンライン

監修者情報:株式会社パスカル 
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