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今後想定される大規模地震(南海トラフ地震等)と被害・影響について解説
日本は地震大国といわれており、世界的に見ても地震が多い国です。全世界で発生したマグニチュード6.0以上の地震のうち、約20%が日本で発生しています。このうち、近い将来に、大規模地震を起こす可能性が高い活断層が複数指摘されています。
このコラムでは、「今後予想される大地震」について解説していきます。ただし、ここで紹介する地震にだけ気を付けていればいいというわけではありません。平成28年4月に発生したマグニチュード7.0の熊本地震は、30年以内の発生確率1%未満と予測されていました。このように、地下に隠れている活断層など、予測しきれない地震もあるとされており、いつ・どこで大きな地震が起こってもおかしくありません。その点を念頭に置いて、「今後予想される大地震」を見ていきましょう。
目次
01地震が起きやすい場所や条件について知る 02今後想定される大規模地震とそのエリアを確認する 03首都直下型地震について~想定される被害とその影響~ 04南海トラフ地震について~想定される被害とその影響~ 05日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震について01地震が起きやすい場所や条件について知る
日本には約2,000の活断層があるとされており、活断層による地震はいつどこで発生してもおかしくありません。
地震は地下で起きる岩盤のズレにより発生します。地球は、地殻という層構造になっていて、地殻は硬い板状の岩盤となっていて、これを「プレート」と呼びます。地球の表面は十数枚のプレートに覆われているのです。
プレートは僅かに少しずつ動いていて、プレート同士がぶつかったり、片方のプレートがもう一方のプレートの下に沈み込んだりすることで地震が発生します。
つまり、地震の起きやすい場所は「プレート同士が接しているところ」と考えられます。
日本周辺では、海プレート(太平洋プレートやフィリピン海プレート)が、陸プレート (北米プレートやユーラシアプレート)の方へ1年あたり数cm動いており、陸プレートの下に沈み込んでいます。日本周辺では、複数のプレートの力がかかっているので、世界でも有数の地震多発地帯となっているのです。
引用元:気象庁ホームページ
02今後想定される大規模地震とそのエリアを確認する
地震が発生しやすいプレート同士が接しているエリアから、今後30年以内に予想されている大地震と、その地域を見ていきましょう。
首都直下型地震
30年以内に地震が発生する確率:70%
防災対策推進地域
茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、長野、静岡
南海トラフ地震
30年以内に地震が発生する確率:70%
防災対策推進地域
茨城、千葉、東京、神奈川、山梨、長野、岐阜、静岡、愛知、三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知、福岡、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄
日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震
30年以内に地震が発生する確率:60%
防災対策推進地域:北海道、東北地方
中部圏・近畿圏直下地震
30年以内に地震が発生する確率:低め
防災対策推進地域:中国地方、近畿地方
相模トラフ沿い海溝型地震
30年以内に地震が発生する確率:低め
防災対策推進地域:首都圏、北関東
引用元:内閣府防災情報のページ
03首都直下型地震について~想定される被害とその影響~
南関東を中心に非常に大きな被害をもたらす可能性があるマグニチュード7クラスの大地震であり、文部科学省地震調査研究推進本部によると、30年以内に70%の確立で発生すると予測されています。特に都心部、神奈川県、千葉県南部では、震度6強~7の強い揺れが予想されています。
首都直下型地震によって想定されている被害は次の通りです
・建物倒壊による死者:最大、約11,000人
・揺れによる建物被害に伴う要救助者:最大、約72,000人
・地震火災による焼失:最大、約412,000棟、倒壊等と合わせ最大、約610,000棟
・火災による死者:最大、約16,000人、建物倒壊等と合わせ最大、約23,000人
内閣府による「首都直下地震の被害想定と対策について」の報告では、震度6強以上の強い揺れの地域では、木造住宅密集市街地等を中心に、老朽化している建物や耐震性の低い木造家屋等が多数倒壊するほか、急傾斜地の崩壊等による家屋等の損壊で、家屋・家具などの下敷きによる死傷等、多数の人的被害が発生するとみられています。
また、ライフラインにも大きな影響が出ることが想定されており、地震直後は火力発電所の運転停止、また東京都区部では電柱(電線)、変電所、送電線(鉄塔)の被害等によって停電が発生する可能性があります。被害の規模によっては、電力の供給が5割程度の状態が1週間以上継続することも考えられます。
電力、通信、上下水道等のライフラインの地震対策は相対的に進んでおり、被災時には優先的に復旧がなされるものの、交通の麻痺、停電や通信の途絶等により、復旧自体の開始や資機材の調達に時間が必要となります。
通信では、安否確認を目的とした音声通話が集中するため、通信規制によりほとんどの一般電話で通話が困難となり、緩和されるのは2日目以降になると想定されています。携帯電話においても著しく使用が制限され、音声通話だけでなく、メールにも大幅な遅延などの障害が発生するとみられています。音声通話やメール以外の連絡手段を確保しておくことが重要となります。
音声通話やメール以外の連絡手段とは?
災害時、緊急時の「安否確認システム」が最適です。
気象庁から地震やその他災害情報が発表されると、予め設定した配信先に自動で安否確認メッセージを送ります。アプリで受信ができるので、音声通話やメールなどの障害を受けることなく、安定的にメッセージを受け取れます。メッセージを受け取ったら、自身の状況(無事か否か)を回答すれば、その安否情報をメンバーで共有できます。
04南海トラフ地震について~想定される被害とその影響~
トラフとは、細長い海底盆地のことをいい、南海トラフは、フィリピン海プレートがユーラシアプレートと北米プレートの下に沈み込む境界にあたり、駿河湾から九州の日向灘沖まで達しています。西日本全域に及ぶ超広域震災とも言われており、南海トラフで発生するマグニチュード8~9クラスが30年以内に発生する確率は約70%と予測されています。
南海トラフ地震によって想定されている被害は次の通りです
(ア)東海地方が大きく被災するケース
全壊及び焼失棟数:954 千棟~2,382 千棟 死者:80 千人~323 千人
(イ)近畿地方が大きく被災するケース
全壊及び焼失棟数:951 千棟~2,371 千棟 死者:50 千人~275 千人
(ウ)四国地方が大きく被災するケース
全壊及び焼失棟数:940 千棟~2,364 千棟 死者:32 千人~226 千人
(エ)九州地方が大きく被災するケース
全壊及び焼失棟数:965 千棟~2,386 千棟 死者:32 千人~229 千人
【被害額】
・資産等の被害(被災地)100.5兆~171.6兆円
・経済活動への影響(全国)29.4兆円~42.1兆円
特に大きな被害として、朝日新聞社と関西学院大学災害復興制度研究所の共同調査によれば、静岡県で死者は10万人以上、全壊の建物は31万棟を超えると予想されています。
05日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震について
北海道東部沿岸の千島海溝沿いでマグニチュード8.8以上の超巨大地震が発生する可能性があります。地震の発生確率は今後30年間で60%とされています。
また、大きな津波も予想されており、北海道や本州で大きな被害が出ると見られています。
このように日本では過去多くの地震が発生しており、将来的にも大災害が発生する危険性が非常に高いのです。大災害発生後の二次災害(火災、津波、洪水、土砂崩れ、地割れ、液状化現象など)や、突然街中の機能が停止してしまうことも大いに考えられる為、私たちは常に防災の意識を持ち、準備をしておく必要があるのです。
いつ起きるかわからない大災害、準備に早すぎるということは決してありません。是非、防災の準備をしてみてはいかがでしょうか。
※本記事は、下記参考HPを基に株式会社パスカルが作成しました。
気象庁
内閣府防災情報のページ
監修者情報:株式会社パスカル
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