活断層と内陸型大地震
公開 カテゴリー: 地震に関するコラム
1995年1月17日、国内史上初めてとなる震度7の揺れが観測されました。
兵庫県南部地震、いわゆる「阪神・淡路大震災」です。この地震による被害は非常に大きく、直下型地震ということもあり、家屋の倒壊による死者が多くいました。
阪神・淡路大震災は、断層の破裂が原因で発生した内陸型地震です。
内陸型地震とは
地震には大きく分けて「海溝型地震」と「内陸型地震」の2つがあります。
内陸型地震とは、内陸部にある活断層や岩盤等で発生する震源の比較的浅い地震を指し、「直下型地震」とも呼ばれています。
地球の表面は、「プレート」と呼ばれる板のような岩の層で覆われています。このプレートが移動することで圧縮され、その押し合う力によって陸のプレート内の岩の層が壊れてずれます。これを「断層活動」といい、これにより「内陸型地震」が発生します。
断層の中でも、特に数十万年前以降に繰り返し活動し、将来も活動すると考えられる断層のことを「活断層」といい、一定の間隔で繰り返しずれ動くように活動し、地震を起こします。
2018年6月に大阪府北部を震源として発生した地震も、この「内陸型地震」にあたります。
次の写真は実際にこの地震で被災した住宅のものです。
当社社員の知人宅の様子です。
キッチンの戸棚が開き、中の食器類が落下し割れて散乱しています。その他にも炊飯器やガラス瓶など、重量のあるものでさえも落下するほどの大きく強い揺れが起きたことがわかります。
内陸型地震は、海溝付近で発生する地震に比べて規模は小さいですが、地震が発生する場所が浅い場合、直下では揺れが大きくなりやすく、大きな被害をもたらすこともあります。
内陸型地震の危険性
地震の際に発表される緊急地震速報は、気象庁によると地震が発生してからその揺れを検知、解析するため、緊急地震速報を発表してから強い揺れが到達するまでの時間は、数秒から数十秒と極めて短く、場合によっては緊急地震速報が強い揺れの到達に間に合わないことがあるといいます。
特に内陸型地震の場合、突然強い揺れが発生し、緊急地震速報の発表から大きな揺れがくるまでの猶予は、ほとんどありません。
そのため、建物の耐震化や家具などの固定、ガラスなどの飛散を防ぐ対策をしっかりと整えておくことが大切です。
また、大きな揺れが起きても混乱を最小限に抑えるため、日頃から地域の避難訓練に参加し避難経路や避難場所を覚えておくことも非常に大切です。
近い将来、大きな地震が日本を襲うかもしれません。
「もしも」という想定を大切に、備えを行ってみてはいかがでしょうか。
※本記事は気象庁ホームページ及び国土地理院ホームページの情報を基に株式会社パスカルが作成しました。
・気象庁HP「緊急地震速報について」
・国土地理院HP「活断層とは何か?」
記事監修

株式会社パスカルは法人向け安否確認システム「オクレンジャー」をご提供し、災害時の正確な安否確認と迅速な緊急連絡を実現しています。
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