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活断層による地震のメカニズムと内陸型大地震の特徴・対策について

公開 カテゴリー: 地震に関するコラム


 
1995年1月17日、国内史上初めてとなる震度7の揺れが観測されました。
兵庫県南部地震、いわゆる「阪神・淡路大震災」です。
この地震による被害は非常に大きく、直下型地震ということもあり、家屋の倒壊による死者が多くいました。
阪神・淡路大震災は、断層の破裂が原因で発生した内陸型地震です。
地震には大きく分けて「内陸型地震」と「海溝型地震」の2つがあります。
今回は、それぞれの特徴と活断層について詳しく説明し、地震から命を守るための備えについてご紹介します。
特に「内陸型地震」についてはポイントをまとめましたので、今から出来ることに取り組んでみてはいかがでしょうか。
 

 

内陸地震の特徴、原因、発生時にどんな被害が起こるのか

 

特徴

内陸型地震とは、別名、「直下型地震」とも呼ばれています。
内陸部にある活断層や岩盤等で発生する震源の比較的浅い地震を指し、地下の約5~20キロメートルぐらいの距離で起こるとされています。大きな特徴として「震源が浅い」ことが挙げられます。それにより、わたしたちが生活している地面の真下に震源があるため、震源地の近くでは揺れが激しく被害が大きくなります。また、震源が浅いことで緊急地震速報にも影響が出てしまいます。気象庁から緊急地震速報が出るまでには、解析・伝達のため一定時間が掛かります。そのため、緊急地震速報が出ないうちに、大きな揺れに到達してしまう可能性があります。

原因

地球の表面は、「プレート」と呼ばれる板のような岩の層で覆われています。このプレートが移動することで圧縮され、その押し合う力によって陸のプレート内の岩の層が壊れてずれます。これを「断層活動」といい、これにより「内陸型地震」が発生します。
断層の中でも、特に数10万年前以降に繰り返し活動し、将来も活動すると考えられる断層のことを「活断層」といい、一定の間隔で繰り返しずれ動くように活動し、地震を起こします。日本では2000以上もの「活断層」が見つかっていますが、未だ地下に隠れて地表に現れていない「活断層」がたくさん存在します。

(画像:気象庁出典)

発生時にどんな被害が起こるのか

2018年6月に大阪府北部を震源として発生した地震も、この「内陸型地震」にあたります。
次の写真は実際にこの地震で被災した住宅のものです。
当社社員の知人宅の様子です。

キッチンの戸棚が開き、中の食器類が落下し割れて散乱しています。その他にも炊飯器やガラス瓶など、重量のあるものでさえも落下するほどの大きく強い揺れが起きたことがわかります。
 

地震の原因となる活断層ってどんなもの?

 

特徴

活断層には以下の特徴があります。

一定の時間をおいて、繰り返し活動する

活断層は普段、断層面が固着していますが、断層面を挟む両側の岩盤には常に大きな力(ひずみ)がかかっています。このひずみが限界に達すると岩盤が破壊され、断層に沿って両側が互いに反対方向にずれ動きます。この動きで地震が発生し、ひずみは解消されます。その後は再びひずみが限界になるまで、動きは長く止まります。

いつも同じ向きにずれる

活断層にかかる力のもとはプレート運動で、運動の向きや速さが長期的に変化することはなく、活断層にかかる力に変化はありません。そのため、活断層の活動は同じ動きが繰り返されます。活断層周辺の地形は、繰り返された動きが累積して形成されます。地形を見ることで活断層への動きの特徴を把握することができます。

ずれの速さは断層ごとに大きく異なる

活断層が1回動くごとに生じるずれは数メートルであっても、繰り返されてしまうと、ずれの量は累積して次第に増加します。この増加していく速さ(平均変位速度)は断層ごとに大きな差があります。「平均変位速度」は、長期的に見た場合の活断層の平均的なずれ速度を示したもので、通常は1000年あたりのずれの量で表します。これによって活断層の活動度が分かります。

活動間隔が非常に長い

私たちが住んでいる日本では、直下型の大地震にしばしば見舞われているため、活断層が頻繁に動いている印象があります。しかし、日本に活断層の数が多いためであって、実は1つの活断層による大地震発生間隔は1000年から数万年と非常に長いのが特徴です。一方、海溝型地震の発生間隔は直下型よりずっと短く、南海トラフを震源とする地震の発生間隔を例に挙げると100年程度で、歴史時代に巨大地震(南海地震、東南海地震)が何回も発生しています。

長い断層ほど大地震を起こす

断層の長さが長いものほど、大きな地震を起こす可能性が高まります。これまでの日本の内陸直下型地震の例では、マグニチュード7相当の地震では長さ20キロメートル程度、マグニチュード8相当の地震では80キロメートル程度の範囲にわたって地表のずれ(地表地震断層)が現れています。

活断層の種類

活断層は、断層運動の変位様式によって以下の4つのタイプに整理できます。

(画像:国土地理院出典)
 

内陸型地震と海溝型地震との違いは?

 
海溝型は別名プレート型ともいわれ、海洋プレートが陸のプレートの下に沈み込むときに
海の奥深いところで大きく地層がずれることで起きる地震です。
震源が海域で、大規模な海底変動を伴うため、津波地震となることが多いです。一方、
地層が浅く陸地で起きる「内陸型地震」では、反発するエネルギーがわりと小さいため、津波が起きる可能性は低いです。
違いとしては、「海溝型地震」は巨大な地震になりやすく津波の恐れがある、「内陸型地震」は、巨大であったとしても津波の恐れはないと考えられます。

海溝型地震では津波に注意しましょう

海溝型地震では海底にあるプレートが跳ね上がると、それによって海面が持ち上げられるため、津波が発生する恐れがあります。今後発生が予測されている南海トラフ地震も海溝型地震であるため、津波への対策が必要です。
津波からの避難では一刻も早く高台へ避難し、一度、高台に行ったら下に戻らないことが重要となります。津波はジェット機と同じくらいの速度になるところもあり、津波を見てからでは簡単に追いつかれてしまいます。また、津波は繰り返し襲ってくるため、最初の津波が過ぎ去ったとしても、後から来る津波の方が高いこともあるため、津波警報が解除されるまでは下に戻らないように注意しましょう。
津波の備えとしては市町村の各ハザードマップの確認は欠かせません。自宅や職場・よく行くお店や病院などの津波浸水想定範囲を確認し、避難経路や避難先を把握しておくことが重要です。ご自身の地域はもちろん、離れて暮らす家族が住む地域についても調べておきましょう。

(画像:気象庁出典)
 

内陸型地震に備えるための3つのポイント・まとめ

 

内陸型地震に備えるための3つのポイント

活断層の位置を把握する

地盤の弱くなった部分(断層)にできた歪みが、大きくずれ動くことで起こるとされている内陸型地震。活断層は日本には約2000あるといわれています。まだ見つかっていない活断層もありますが、文部科学省と気象庁が共同で作成したパンフレットを気象庁のホームページで確認することが出来ます。地震の原因となる活断層について位置を把握しておくことも地震に対する備えとして大切です。

家具など倒れてくるものは固定する

地震が起こったときは机の下にもぐって身を守ることが大切です。しかし、内陸型地震では突然大きな揺れが起こるため、机の下にもぐる間もなく身動き出来ない状況になる可能性があります。阪神淡路大震災でも多くの方が建物の下敷きになったことで命を落としてしまいました。したがって、家具や物が倒れて来ないように固定しておくことが重要です。

耐震診断・耐震化を行う

家具の固定と同じように、内陸型地震の特徴をふまえてぜひ必要になる備えが「建物の耐震化」です。国土交通省のホームページでは、「令和12年までに耐震性が不十分な住宅、令和7年までに耐震性が不十分な耐震診断義務付け対象建築物をおおむね解消することを目標として掲げ、所有者による耐震化を支援しています。」と記されています。国も耐震化をすすめるよう促しています。
特に、建築基準法の耐震基準が強化されるまえ(昭和56年、1981年以前)に建てられたものは、耐震性が不十分なものがある可能性が高く、耐震診断や耐震改修がもとめられています。「住宅・建築物の耐性化」については、国土交通省のホームページに地方公共団体の耐震支援制度に関する問い合わせ窓口など、さまざまな情報が掲載されています。ご自宅の耐震性が心配な方は確認して、耐震診断・耐震化を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

地震の際に発表される緊急地震速報は、気象庁によると地震が発生してからその揺れを検知、解析するため、緊急地震速報を発表してから強い揺れが到達するまでの時間は、数秒から数十秒と極めて短く、場合によっては緊急地震速報が強い揺れの到達に間に合わないことがあるといいます。
特に内陸型地震の場合、突然強い揺れが発生し、緊急地震速報の発表から大きな揺れがくるまでの猶予は、ほとんどありません。
そのため、3つのポイントでご紹介した建物の耐震化や家具などの固定の他にガラスなどの飛散を防ぐ対策をしっかりと整えておくことが大切です。
今回ご紹介した内陸型地震でも海溝型地震であっても大規模な地震が起こった場合はライフラインが途絶えてしまう危険性も十分あります。食料や懐中電灯、備蓄トイレや暑さ寒さ対策・医薬品などの備えも必要になります。
また、大きな揺れが起きても混乱を最小限に抑えるため、日頃から地域の避難訓練に参加し避難経路や避難場所を覚えておくことも非常に大切です。
 
近い将来、大きな地震が日本を襲うことが危惧されています。しかし、日時や場所、確度の高い地震予測は難しいと考えられています。いつどこで起こるかわからない大地震。
「もしも」という想定を大切に、備えを行ってみてはいかがでしょうか。
 
※本記事は、下記ホームページを基に株式会社パスカルが作成しました。
気象庁
国土交通省
国土地理院

記事監修

オクレンジャー

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